PROFILE
原一男 プロフィール
HARA Kazuo
Director
Born in 1945 in Yamaguchi Prefecture, Hara Kazuo dropped out of Tokyo College of Photography and made his directorial debut with the documentary film, Goodbye CP (1972). Hara achieved international acclaim with Extreme Private Eros: Love Song 1974 (1974), which was praised as a pioneering self-documentary, and The Emperor's Naked Army Marches On (1987), which received the 1987 Berlin International Film Festival’s Caligari Film Award and the Grand Prix at the 1987 Cinéma du reel. Hara's other works include A Dedicated Life (1994), Many Faces of Chika (2004), Sennan Asbestos Disaster (2017), and more. His recent project, Minamata Mandala (2020), a three-part documentary with 372 minutes of running time and more than 15 years of filming, depicts the victims of the environmental disease, Minamata, as they fight for legal recognition and compensation.
1945年6月、山口県宇部市生まれ。東京綜合写真専門学校中退後、養護学校の介助職員を経て69年銀座ニコンサロンにて写真展『ばかにすンな』開催。1972年小林佐智子と共に疾走プロダクションを設立し『さようならCP』で監督デビュー。
1974年『極私的エロス・恋歌1974』トノンレバン独立国際映画祭グランプリ受賞。
1987年『ゆきゆきて、神軍』日本映画監督協会新人賞、ベルリン映画祭カリガリ賞、パリ国際ドキュメンタリー映画祭グランプリなどを受賞。1994年小説家・井上光晴の虚実に迫った『全身小説家』でキネマ旬報ベストテン日本映画第一位、毎日映画コンクールで毎日日本映画大賞を受賞。
1918年『ニッポン国VS泉南石綿村』釜山国際映画祭メセナ賞(最優秀ドキュメンタリー賞)などを受賞、2019年ニューヨーク近代美術館(MOMA)にて全作品上映。2020年、20年の歳月をかけた『水俣曼荼羅』三部構成372分が公開。
同作は2022年2月に、第95回キネマ旬報ベスト・テン 文化映画ベスト・テン第1位/日本映画ベスト・テン第5位、および第76回毎日映画コンクールドキュメンタリー映画賞を受賞。
2023年10月4日 - 13日に開催された第28回釜山国際映画祭にて、メセナアワード、ワイド・アングル部門の審査員を務めた。期間中の10月9日、マスタークラスを開催。会場となった300席を超えるKNN Theaterが満席となった。
2024年10月16日の夜(現地時間)、イタリアのラヴェンナ・ナイトメア映画祭より、第22回ゴールデンリング・スペシャル・エディションを授与。10月15日から19日まで開催中の同映画祭において、過去の4作品を特集上映されるとともに、マスタークラスも行った。映画祭が贈る功労賞ともいえるゴールデンリングは、過去にはリリアーナ・カヴァーニ、デヴィッド・リンチ、ジャン=ジャック・アノー、マルコ・ベロッキオらも授与されており、アジア人としては初。
2024年10月21日、ローマ大学にてマスタークラス(MasterClass Sapienza University)を開催した。
2025年4月13日、エジプシャンシアター(ロサンゼルス)にてアメリカン・シネマテークが主催する原一男の4作品が上映。初日の『ゆきゆきて、神軍』は500席が満席となり、インタビュアーのエロール・モリスと10年ぶりに再会した。
現在は、クラウドファンディングの支援を受け、『水俣曼荼羅』(仮題)続編を含む遺言3部作の製作、国内外の上映会で講演を行っている。